「車椅子を使っている両親を九州の温泉へ連れて行きたい」
「別府や由布院、黒川温泉で車椅子のまま泊まりやすい宿はある?」
「大浴場での介助が難しいので、貸切風呂や客室風呂があるとうれしい」
九州は別府・由布院・黒川・霧島・嬉野など、日本を代表する温泉地が集まるエリアです。
一方で、歴史ある温泉旅館には段差や階段が残っていることもあり、車椅子利用者との旅行では宿選びがとても重要です。
そこで今回は、九州で車椅子利用者との宿泊を検討しやすい温泉宿を7軒紹介します。
バリアフリー・ユニバーサルデザインに配慮した客室、大型ホテル、貸切風呂や客室風呂を利用できる宿などを中心に選びました。
※「車椅子のまま泊まれる」は、館内すべてを車椅子だけで移動できる、あるいは車椅子に乗ったまま浴槽へ入れるという意味ではありません。設備や段差、介助の可否などは宿・客室によって異なります。予約前に必ず宿へ最新情報をご確認ください。
九州で車椅子利用者と泊まりたい温泉宿7選
今回紹介する宿はこちらです。
| 宿名 | エリア | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 杉乃井ホテル | 大分・別府 | 大型リゾートで館内設備が充実 |
| AMANE RESORT SEIKAI | 大分・別府 | 客室風呂を選べる |
| 由布院温泉 山荘 無量塔 | 大分・由布院 | 離れタイプで宿滞在を楽しめる |
| 黒川温泉 旅館わかば | 熊本・黒川 | 貸切風呂も選択肢 |
| 嬉野温泉 和多屋別荘 | 佐賀・嬉野 | 大型旅館で相談しやすい |
| ラビスタ霧島ヒルズ | 鹿児島・霧島 | 洋室中心で貸切風呂も魅力 |
| 指宿白水館 | 鹿児島・指宿 | 大型温泉旅館・館内設備が充実 |
車椅子利用者の場合は、宿名だけで決めず、予約する客室タイプまで確認することが重要です。
1.杉乃井ホテル|別府で車椅子旅行ならチェックしたい大型リゾート
大分県別府市の杉乃井ホテルは、九州を代表する大型温泉リゾートの一つです。
車椅子利用者との旅行で大型ホテルが便利なのは、エレベーターや広い共用スペースなどが整備されているケースが多いこと。
昔ながらの小さな木造旅館の場合、
「玄関に大きな段差がある」
「客室が2階なのにエレベーターがない」
といったこともあります。
その点、大型ホテルなら車椅子での館内移動について事前に相談しやすいでしょう。
三世代旅行にもおすすめ
杉乃井ホテルは、祖父母・子ども夫婦・孫という三世代旅行にも候補になります。
車椅子を利用する祖父母は無理をせずホテルでのんびり。
子どもたちは館内施設を楽しむ。
家族みんなで食事を楽しむ。
というように、それぞれに合った過ごし方ができます。
ただし館内は広いため、客室から食事会場や温泉までの移動距離については予約時に確認しておくと安心です。
こんな人におすすめ
- 別府温泉へ行きたい
- 大型ホテルが安心
- 三世代旅行
- 館内で楽しめる宿がいい
- 車椅子での移動について事前相談したい
2.AMANE RESORT SEIKAI|客室のお風呂で温泉を楽しみたい人に
「大浴場への移動をできるだけ減らしたい」
そんな人には、別府のAMANE RESORT SEIKAI(潮騒の宿 晴海)も候補になります。
海を目の前にした温泉リゾートで、客室で温泉を楽しめるタイプがあるのが大きな魅力です。
車椅子利用者との旅行では、大浴場までの移動そのものが負担になることがあります。
さらに大浴場へ行けたとしても、
「脱衣所で車椅子から移乗する」
「浴槽まで歩く」
「浴槽の縁をまたぐ」
といった動作が必要になることがあります。
その点、客室のお風呂なら移動距離を減らせます。
客室風呂=バリアフリーではないので注意
ただし注意したいのが、
「客室に温泉がある=車椅子で入浴しやすい」とは限らない
ことです。
客室からお風呂へ行くところに段差があったり、浴槽が深かったりする可能性があります。
予約前に、
「車椅子から浴槽まで何cmくらいの段差がありますか?」
「手すりはありますか?」
と確認しておきましょう。
こんな人におすすめ
- 別府で少し贅沢したい
- 客室で温泉を楽しみたい
- 大浴場までの移動を減らしたい
- 夫婦・親子旅行
3.由布院温泉 山荘 無量塔|宿でゆっくり過ごす大人の温泉旅行
人気温泉地・由布院で候補にしたいのが**山荘 無量塔(むらた)**です。
由布院は温泉街の散策が人気ですが、車椅子利用者との旅行では、
「観光地をたくさん回らなければ」
と考える必要はありません。
むしろ宿へ早めにチェックインして、
温泉。
食事。
部屋で休憩。
景色を眺める。
という過ごし方もおすすめです。
山荘 無量塔のような宿そのものを楽しむタイプの旅館なら、観光を詰め込まなくても特別な旅行になります。
ただし、敷地や客室タイプによって移動条件が異なる可能性があるため、車椅子利用については予約時に相談してください。
こんな人におすすめ
- 由布院へ行きたい
- 観光より宿で過ごしたい
- 高齢の両親へのプレゼント旅行
- 静かな温泉旅行が好き
4.黒川温泉 旅館わかば|貸切風呂を利用したい家族に
熊本県の黒川温泉も、九州を代表する人気温泉地です。
ただし黒川温泉は山間部にあり、坂道や段差もあります。
車椅子利用者との旅行では、温泉街を何時間も散策するより、
宿の中で温泉を楽しめるか
を重視して選ぶとよいでしょう。
旅館わかばには家族で利用できる貸切風呂があります。
入浴介助が必要な場合、一般の大浴場より貸切風呂のほうが使いやすいケースがあります。
異性の家族が介助するときにも便利
例えば、
「息子が母親を介助している」
「娘が父親の入浴を手伝っている」
という家庭の場合、男女別の大浴場では介助できません。
貸切風呂なら家族だけで利用できるため、こうしたケースでも選択肢になります。
ただし、貸切風呂自体がバリアフリーとは限りません。
浴槽までの段差や手すりなどは必ず確認しましょう。
こんな人におすすめ
- 黒川温泉へ行きたい
- 家族で温泉に入りたい
- 貸切風呂を利用したい
- 秘湯らしい雰囲気を楽しみたい
5.嬉野温泉 和多屋別荘|佐賀で車椅子旅行をするなら候補
佐賀県を代表する温泉地が嬉野温泉です。
「日本三大美肌の湯」の一つとして紹介されることも多く、トロリとしたお湯を目的に訪れる人もいます。
その嬉野温泉で候補になるのが和多屋別荘です。
大型旅館なので、車椅子利用者との宿泊では客室や館内の移動経路について事前相談しながら計画しやすいでしょう。
嬉野温泉は親孝行旅行にもおすすめ
還暦祝いや古希祝いなど、
「両親を温泉へ連れて行きたい」
という旅行にも嬉野温泉は向いています。
高齢者との旅行では観光をたくさん組み込まず、
温泉+料理+家族団らん
を中心にすると疲れにくくなります。
こんな人におすすめ
- 佐賀方面で温泉宿を探している
- 嬉野温泉に泊まりたい
- 親孝行旅行
- 大型旅館のほうが安心
6.ラビスタ霧島ヒルズ|洋室+貸切風呂を重視する人に
鹿児島県・霧島温泉なら、ラビスタ霧島ヒルズも候補です。
車椅子利用者との旅行で注目したいのが、洋室タイプの客室。
昔ながらの温泉旅館では和室に布団を敷くことがあります。
しかし車椅子利用者や足腰が弱い高齢者の場合、
床に敷かれた布団への乗り降り
が大きな負担になります。
ベッドなら車椅子から横へ移乗しやすいため、洋室・和洋室を優先するのがおすすめです。
また貸切風呂がある宿なら、家族で入浴したい場合にも候補になります。
ただし、貸切風呂までの移動経路や浴槽の段差などは事前に確認してください。
こんな人におすすめ
- 鹿児島で温泉旅行
- 霧島温泉へ行きたい
- 洋室を希望
- 貸切風呂も利用したい
7.指宿白水館|指宿で温泉旅行を楽しみたい家族に
最後に紹介するのが鹿児島県指宿市の指宿白水館です。
指宿を代表する大型温泉旅館の一つで、広い館内や温泉設備が魅力。
指宿といえば砂むし温泉も有名ですが、車椅子利用者の場合は利用条件を事前に確認する必要があります。
無理にすべてを体験するのではなく、
「宿泊と温泉を楽しむ」
ことを中心にするのもおすすめです。
大型旅館なので、車椅子での館内移動について予約前に相談しておきましょう。
こんな人におすすめ
- 指宿へ行ってみたい
- 鹿児島旅行を楽しみたい
- 大型温泉旅館が好き
- 家族旅行・三世代旅行
九州で「車椅子のまま温泉に入れる宿」はある?
ここは非常に誤解されやすいポイントです。
車椅子のまま宿泊できることと、車椅子に乗ったまま温泉の浴槽まで入れることは別です。
多くの一般的な温泉では、
車椅子で脱衣所へ行く
↓
浴室用の椅子などへ移乗
↓
洗い場へ移動
↓
浴槽の縁をまたいで入浴
という流れになります。
自力で立ち上がれない場合や、浴槽をまたげない場合は、通常の大浴場を利用するのが難しいケースがあります。
入浴用リフトのある宿を探す方法も
歩行や立ち上がりが難しい人の場合は、単に「バリアフリー宿」で探すのではなく、
「温泉 入浴リフト」
「福祉風呂 温泉宿」
「リフト付き貸切風呂」
などで探す方法もあります。
入浴用リフトがあれば、車椅子から浴槽へ移る負担を軽減できる可能性があります。
ただし、設備の使い方や介助者の必要人数などは施設ごとに異なります。
車椅子旅行なら貸切風呂が便利
入浴介助が必要なら、貸切風呂・家族風呂を優先して宿を探すのもおすすめです。
大浴場では他のお客さんがいるため、
「ゆっくり着替えられない」
「介助していると周囲が気になる」
と感じることがあります。
貸切風呂なら家族だけで利用できるので、時間をかけて入浴できます。
ただし貸切時間が40分や50分程度に設定されていると、着替えと介助だけで時間が足りなくなる場合があります。
予約時には利用時間の長さも確認しましょう。
客室温泉なら大浴場まで行かなくていい
もう一つ便利なのが温泉風呂付き客室です。
客室内で入浴できれば、
- エレベーターへ乗る
- 長い廊下を移動する
- 大浴場の脱衣所へ行く
といった負担を減らせます。
車椅子利用者だけでなく、介助する家族にとっても大きなメリットです。
ただし露天風呂付き客室の場合、テラスへ出るために段差が設けられていることがあります。
予約サイトの写真だけで判断せず、宿へ問い合わせましょう。
バリアフリー客室で確認したいポイント
「バリアフリールームがあります」
と書かれていても、設備は宿によって違います。
確認したいのは、
- 客室入口の段差
- ドアの幅
- ベッド周辺のスペース
- トイレ入口の幅
- トイレの手すり
- 洗面台の高さ
- 浴室入口の段差
- 浴槽の高さ
などです。
特に電動車椅子の場合は、客室内で方向転換できるスペースがあるかも重要です。
車椅子利用者なら和室より洋室・和洋室がおすすめ
昔ながらの温泉旅行では和室も魅力的ですが、車椅子利用者の場合は洋室・和洋室のほうが使いやすいことがあります。
最大の理由はベッドです。
床に敷いた布団の場合、
車椅子→床
まで大きく身体を下げる必要があります。
さらに翌朝には、
床→車椅子
まで身体を持ち上げなければなりません。
本人だけでなく介助する家族にも負担です。
ベッドなら高さが近いため、比較的移乗しやすくなります。
予約前に確認したい10項目
車椅子利用者との九州温泉旅行では、宿へ次のことを確認しておきましょう。
- 駐車場から玄関まで車椅子で移動できるか
- 玄関に段差があるか
- 客室までエレベーターを利用できるか
- 客室入口の幅は十分か
- ベッド横まで車椅子で入れるか
- トイレに手すりがあるか
- 食事会場まで車椅子で移動できるか
- 大浴場・脱衣所に段差があるか
- 貸切風呂や客室風呂があるか
- 入浴用椅子などを借りられるか
さらに、
「数歩なら歩けます」
「立ち上がりはできます」
「浴槽をまたぐことができません」
「常に車椅子が必要です」
など、本人の状態も伝えましょう。
車椅子旅行では移動距離にも注意
九州は広いため、
「別府に泊まって、翌日は熊本、その後は鹿児島」
というような旅行にすると、車での移動時間が長くなります。
車椅子利用者や高齢者との旅行では、
1泊につき観光1~2ヶ所程度
くらいの余裕あるスケジュールがおすすめです。
場合によっては観光をせず、
「温泉宿へ泊まりに行くだけ」
でもいいでしょう。
迷ったらどの温泉地がおすすめ?
大型ホテルを重視するなら別府
ホテルの選択肢が多く、車椅子利用者との旅行でも候補を探しやすいエリアです。
静かな親孝行旅行なら由布院
観光を詰め込まず、宿でゆっくりする旅行に向いています。
貸切風呂なら黒川温泉
家族風呂文化が根付いている宿もあり、家族で温泉を楽しみたい人に候補があります。
福岡方面からなら嬉野温泉
佐賀県にあり、福岡方面から比較的アクセスしやすいのが魅力です。
鹿児島なら霧島・指宿
霧島では山の温泉、指宿では南国らしい旅行気分を楽しめます。
まとめ|九州には車椅子利用者と楽しめる温泉宿がある
九州には別府・由布院・黒川・嬉野・霧島・指宿など、全国的にも有名な温泉地がたくさんあります。
車椅子を利用している家族がいると、
「温泉旅行は難しいかな」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、宿の選び方と事前確認によって旅行の負担を減らすことはできます。
ポイントは、
「バリアフリーと書かれているから大丈夫」と決めつけないこと。
車椅子のまま客室へ入れるのか。
ベッド横まで移動できるのか。
トイレに手すりがあるのか。
食事会場へ段差なく行けるのか。
そして温泉へどのように入るのか。
ここまで具体的に確認することが重要です。
大型ホテルを重視するなら別府、静かな旅行なら由布院、秘湯気分なら黒川、福岡方面からのアクセスなら嬉野、鹿児島旅行なら霧島や指宿など、目的に合わせて選んでみてください。
本人だけでなく、介助する家族にも負担が少ない宿を選ぶことが、楽しい温泉旅行につながります。
「車椅子だから行けない」ではなく、「どうすれば無理なく行けるか」で宿を探す。
家族みんなが「また温泉へ行きたい」と思える旅行にしてください。
※バリアフリー設備、貸切風呂、客室風呂、車椅子の貸し出しなどは変更される場合があります。また、同じ宿でも客室タイプによって設備が異なります。予約前に宿泊施設へ最新の対応状況を必ずご確認ください。









